落ち着いて心をドヤらせていきます
献血成功しました。
本当に念願の献血です。感動したのでいかに念願であったかを記します。
献血の思い出は学校に通っていた時代から。私の所属する部活には献血大好きな部長がいて、「献血すると卵くれしお菓子いっぱいくれるぜ、俺なんかもう何回でも献血してるし」と情報を刷り込んできたせいでずっと憧れていました。でも世界が狭かったので献血の場所がわからず、憧れだけを胸にその学校を卒業。
そして次に通った学校なんですけども……よくいたんです、献血してくれと駅で拡声器片手に呼び込みするおじさまが……!!!
こんなの血を入れるしかねえじゃないですか。何度かは勇気が出ずに素通りしちゃってたんですが、ある日の私は元気が桁違いでした。そんな日に都合よくいる献血おじさん!当然やりますって声掛けたんですよ……それはもう善意の燐光を目にたたえながら!
声が枯れかけてた引き込みのおじさん、ぱっと顔が晴れました!これには自己肯定感と緊張が入り混ざって私もちょっと感動気味だ!
おじさん、とっても笑顔で感謝しながら、
「失礼ですが体重はおいくつですか?」
たいじゅう
そんなわけで体格の壁に阻まれて挫折しました。こんなはずでは。
以降、体重が規定のノルマを超えることなく時が過ぎていき、結局自由だけは手にしていたのに献血はできずに学校を卒業しました。
それからまた時は過ぎて、多分先の秋から冬のことです。
貧相な学生時代を終えた私は、あの日駅で笑顔のおじさんから突き付けられた体格の壁を越え、まあ結構に健康な体を獲得していました。インフルエンザはここ十年かかってない。
健康体を手に入れた私に、ある日メチャクチャ嬉しいことがあったんです。なんかもう……ほんとに嬉しくて、なんか漠然とどこにでもいいから対価を支払いたくてウズウズしておりました。
非常にナイスタイミングで出張に来てたんです。身近に。献血車。
もうこれは鮮血で払うしかねえなと思って、ウキウキと受付に座りました。
今回はメガネの穏やかなお兄さんが嬉しそうにお礼を言ってくださいます。フフンこの時点で立ち登る自己肯定感。この時の私はもう大人、緊張するほどウブじゃありません。落ち着いて心をドヤらせていきます。
お兄さん、受付の最初に笑顔で尋ねてきます。
「失礼ですが体重はおいくつですか?」
ハァ???????????
献血失敗しました。
なんでも、献血には200mlと400mlのコースがあるそうで、400貢ぐには私が蹴躓いたより上の次元で体重ノルマがあるのだそうです。
200なら貰ってあげられるんですけど、今日は400しかやってないんですすみません〜折角なので水分はあげますと受け取ったのは綾鷹でした。
こうして血で支払いたかった私の手元には茶が貢がれて終わってしまったのでした。
本日は200mlがあったので喜んで捧げてきました。こんな経緯があったので健康聴取で「めまいとか貧血とか全然ありません!元気です!」みたいな答え方したら生暖かい目で微笑まれました。お菓子ももらって水分もいっぱいもらって記念品ももらって血もささげたので非常に今日は晴れやかです。
おわり。