【自創作】ッス!!!ッス!!!

舎弟口調が難しいッス。

 

個人的に「~ッス」ってセリフに落とし込むの難しいんですよ。

 

「アニキが負けるわけないッス!」
「そりゃないッスよアニキ~!?」
「お嬢さんは綺麗ッス!俺が絶対それを証明するッス!」

 

「アニキが負けるわけねェ!」
「そりゃねーッスよアニキ!?」
「お嬢さんはきれェッス!俺がぜってぇ全員頷かせてやらァ!」

 

どこまで「ッス」以外を崩すのかで舎弟の質が変わるじゃないですか。

マッキーペンで眉描いたような背筋伸びた真面目努力家舎弟が上、
普通に私がイメージする舎弟が下。

あんな舎弟そんな舎弟。こんな舎弟は嫌だ……焼きそばパンを買わせると絶対半分以上食い尽くしてる舎弟。

 

ところで拙作『後天性ヒーロー』の思い出話です。
グリーンという舎弟語話者が一人おります。

後天性ヒーロー - 鉄屑オレンジ - BOOTH

この子は割と「喋るのめんどくせー」みたいな活舌悪い部類の舎弟語使うのですが、これがまた……上手く崩せませんでして。
セリフ書き出しの時点でそれはもうわざとらしい「ッス人」ができあがりました。

最終的にカタカナを交えることで舌があまり回ってない勢いだけの口調に寄せていこうとしたんですけども……これもまだわざとらしい……。
調整を重ねるたびに「最早他の子が喋ればいいか」とセリフが減っていく始末。
すまなかった。

ほんと大変でした、私が活舌いいので。突然のドヤ顔。

 

「了解です」は「ウッス」、基本動詞に付く「る」は抜けて、「ます」は「んス」「ッス」になる、「オレは」は音的には「オレァ」くらいになるけど文字でそこまでやると読みづらい……とか……

自然な舎弟語ってもはや語学の域。学問ッスね。

 

舎弟語について初めて考えたのは乙女ゲームに出てくる攻略キャラがきっかけだった気がします。
礼儀正しい舎弟って感じの子がいたのですが、その子のルートが解放された時、それはもう違和感まみれの「ッス!!!ッス!!!人」になってて……以来舎弟語を書くと「ああなっていやしないか……」とトラウマ級に刻まれてしまう始末。
「ライターが変わる」ということの恐ろしさを垣間見ました。思い出。

そんなわけで舎弟語が難しかったという思い出語りでした。
グリーンは「発音めんどくさい系舎弟語」話者です。ガラは悪いです。

ちなみに結論としては、ノリで舎弟語キャラなんて作るもんじゃねェな、でした。
雰囲気に合う漫画で然るべき舎弟語を出す計画性が必要……。